景気回復を先導してきた高額商品についても、消費の回復ぶりは勢いを欠く。百貨店や大手商社によると、人気の高い高級ブランドや化粧品の売り上げが足元では回復傾向にあるというが、「サラリーマンがちょっと頑張って手が届く価格水準の商品が動いていない」(高島屋)。
さらに、地方経済は改善の兆候が少ない。「地域の中小企業は、仕入れや電力料金、人件費などのコスト増に加え、人手不足の影響が広がっている」(日本商工会議所の三村明夫会頭)うえ、「地方では消費税率引き上げで、日用品の低価格志向が一層強まる」(イオンの岡田元也社長)など家計も厳しい。地方再生に向けた取り組みは急務だ。
7~9月期以降、内需と輸出は改善
野村証券の木下智夫チーフエコノミスト「個人消費がマイナス5.0%の大幅落ち込みとなったのは、消費税増税と物価上昇の影響で実質所得が目減りしたためだ。だが団塊世代の退職ラッシュがあと1~2年続くうえ、現役世代も今後の賃金アップへの期待感から高付加価値品への関心は高く、7~9月期以降は増税の影響が和らぎ、個人消費の底堅さは続く。弱めだった輸出も高い成長が続く北米向けを中心に年後半は回復。内需と輸出の改善に伴い工場稼働率が上向くうえ、人手不足を補う店舗のIT(情報技術)化・省力化需要も高まり、大企業、中小企業とも設備投資が増加。公共事業の下支え効果も加わり7~9月期の実質GDPは前期比年率4%程度のプラスと大幅に回復するだろう」