「日本の国民食」を中国“人民食”に ハウス食品、カレー文化の浸透に手応え (3/4ページ)

2014.8.18 11:10

ハウス食品が上海市内のショッピングモールで開いた販促イベント「カレー王国」でカレーライス作りに挑戦する中国人の親子連れ

ハウス食品が上海市内のショッピングモールで開いた販促イベント「カレー王国」でカレーライス作りに挑戦する中国人の親子連れ【拡大】

 流通コストの壁

 新規の市場開拓には壁もあった。中国では商品を置かせてもらうだけでスーパーなど販売店側に“棚代”を支払わなければならない仕組みがあるからだ。販売量にかかわらず、流通コストがかさんだのは痛かった。

 一方で、力強い“応援団”も現れた。上海食品学会の姜培珍(きょう・ばいちん)教授は「カレーライスは肉や野菜など多くの食材を同時にバランス良く摂取できるだけでなく、ルウに含まれるスパイスの健康効果にも注目している」と話す。とりわけ食欲が落ちる夏に胃の働きを高めると、効用を消費者に説いている。

 ルウ90グラム入りバーモントカレーの価格は10元(約166.8円)。日本とほぼ同等の販売価格ながら、栄養バランスの良い健康食とのイメージも広がった。

 地道にカレーライス文化の浸透を図ってきた羽子田氏が確かな手応えを得たのは昨年。バーモントカレーの発売から8年目にして中国市場の「黒字化」を達成したからだ。

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