金融機関に運用を一任する「ラップ口座」の顧客獲得競争が激しさを増している。デフレ脱却を見据えた個人投資家による需要が高まり、1年前から契約総額がほぼ倍増するなど市場の急拡大が背景にある。これまで、大和証券と三井住友信託銀行がラップ口座「2強」といわれていたが、証券最大手の野村証券が全本支店に取り扱いを広げ、銀行系証券も本腰を入れ始めている。
日本投資顧問業協会によると、6月末時点のラップ口座の契約総額は前年比90%増の1兆6430億円。トップの大和が6260億円、2位の三井住友信託が4460億円だが、野村も3月末から約4割増の3308億円と追い上げている。野村の立山浩二投資顧問事業部長は「現場の営業担当者が、顧客のニーズの変化をきめ細かくくみ上げている」と強調する。
4位のSMBC日興証券も昨年7月、最低投資額をそれまでの1千万円から300万円に引き下げるなど、顧客基盤の拡大に乗り出した。昨年、このサービスから撤退した三菱UFJモルガン・スタンレー証券も、「ニーズが強くなっている」(長岡孝社長)として、再参入を検討中だ。
一方、迎え撃つ大和の松村健一ラップビジネス部長は「(グループの)大和ネクスト銀行と連携し、『貯蓄から投資へ』を体現するサービスとして強化していく」と言う。