インドネシアの航空業界で人材の供給が追いつかない状況が続いている。同国運輸省によると、格安航空会社(LCC)の伸長などが続く航空業界は毎年600人のパイロットの需要が生まれているが、供給が約500人にとどまっている。訓練施設の拡張が進まないことなどが要因だ。現地紙ジャカルタ・ポストなどが報じた。
同省幹部は、現在の国立の養成学校によるパイロットの供給が毎年約500人、民間学校からは約20人にとどまると指摘。「パイロット需要に対する供給が追いついていない」と述べ、問題を認めている。また、毎年800人が必要とされる航空整備士でも似たような状況となっているという。
人材不足の解消策としては外国人パイロットの採用が考えられる。しかし、同国では昨年、外国人パイロットの飛行時間の虚偽申請の発覚が相次いだことに加え、政府も「国内パイロットの雇用機会を確保する」との立場であることなどから、外国人パイロットの採用には消極的で、昨年10月時点のパイロット7000人のうち外国人は600人程度となっている。