政府は国内パイロットの養成を急ぎたい考えだが、養成施設の拡充などが遅れているのが現状だ。国立航空学校の幹部は、現在の同校の受け入れ可能人数を1学年当たり450人(パイロット養成学科は150人)としたうえで、「志願者が3000人を超えるなど希望者は多いが、訓練機の不足などで人数を増やせない」と述べ、政府による支援が必要だと訴えた。
また、専門家は「供給不足が続けば、結果として質の低いパイロットを雇用せざるを得なくなる」と指摘。安全性確保のためにも、質の高い外国人パイロットの積極的な雇用を図りつつ、訓練体制の充実を急ぐべきだとの考えを示した。
東南アジア地域はLCCの伸長が航空市場の拡大を牽引(けんいん)している。コストカットを命題とするLCCと安全の両立を図り、かつ質の高いパイロットなど人材を供給できるか、政府のかじ取りに注目だ。(シンガポール支局)