インドでインターネット利用者の増加傾向が続いているなか、草創期に普及を牽引(けんいん)したネットカフェの存在感が急速に薄れている。携帯端末の普及が進んだことなどが要因だ。現地紙ヒンドゥスタン・タイムズなどが報じた。
インド電気通信規制庁によると、同国のネット利用者数は、2004年に450万人だったが、13年には2億3872万人まで増加した。ネット利用者の拡大にともなってネットカフェの需要も急増し、04年の約5万店(推計)から09年には業界団体のインド・サイバーカフェ協会(CCAOI)の加盟店だけで18万店を突破した。
しかし、その後は携帯端末によるネット利用が急増し、都市部を中心にネットカフェ利用者が減少に転じた。首都ニューデリーにある大学近くのネットカフェでは最盛期には1日当たり客数が80人、料金も1時間当たり40ルピー(約70円)だったが、現在は料金を25ルピーまで下げても1日の利用者は40~50人がやっとだという。経営者は「スマホやノートパソコンが簡単に手に入る時代だから仕方ない」と嘆く。