市場で買い物客を待つ売り場の女性。消費の低迷で食材が値下がりし、物価を押し下げている=中国・北京(共同)【拡大】
世界経済の減速が鮮明になってきた。欧州経済の牽引(けんいん)役であるドイツが成長率予想を下方修正したほか、中国の9月の消費者物価指数(CPI)は4年8カ月ぶりの低水準になった。韓国も政策金利を過去最低水準に引き下げるなど景気の下支えに躍起だ。消費税増税後の需要減が尾を引く日本にとって世界経済の不調は景気回復のさらなる重しとなりかねない。
ドイツ政府は14日、2014年と15年の経済成長率見通しを従来の1.8%、2.0%から1.2%、1.3%にそれぞれ大きく引き下げた。ウクライナや中東情勢の悪化、新興国経済の減速による輸出の落ち込みが原因だ。
ドイツ経済の減速はデフレ懸念が強まる欧州経済の先行きに影を落とす。財政規律を重視するドイツ政府は大型減税などの景気対策には消極的だが、国内外から財政出動を求める圧力が強まる公算は大きい。
欧州経済の不振は欧州を主要な輸出先とする中国経済にも打撃だ。
中国国家統計局は15日、9月のCPIが前年同月比で1.6%上昇したと発表した。経済の減速懸念が高まる中、消費が振るわず、上昇率はリーマン・ショックによる落ち込みの影響が残っていた10年1月以来の低水準となった。