女性閣僚2人の辞任について記者の質問に答える安倍首相=20日午後、首相官邸【拡大】
閣僚の辞任による政権への悪影響を懸念したばかりか、自身が任命した閣僚を切れない“温情”も強く働き、対応が後手後手に回った結果だった。
首相が「ダブル辞任」を決断したのは今後重要な政治案件が続くこともある。今月30日には米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題が争点となる沖縄県知事選(11月16日投開票)が告示、年末には消費税率10%への引き上げ判断を控える。年が明ければ、九州電力川内原発の再稼働、平成27年度予算案の国会審議、春には統一地方選、集団的自衛権の行使容認に向けた安全保障法制の審議が始まる。
野党と真っ向からぶつかり合う局面が連なり、政権の安定化は欠かせない。そして、長期安定政権の先には、敬愛してやまない祖父の岸信介元首相が成し遂げられなかった憲法改正がある。
小渕、松島両氏のスキャンダルは第2次政権発足から初めて首相を揺さぶる危機だった。首相はかつて「お友達人事」と揶揄(やゆ)された温情にとらわれず、女性登用方針を象徴する2人をばっさりと切りすてた。
(峯匡孝)