26カ月連続で赤字の貿易収支【拡大】
だが、新型モデルが投入されるたびに繰り返されるお祭り騒ぎに、政府関係者は冷徹な視線を投げかける。「アイフォーンが売れれば売れるほど貿易赤字が膨らみかねない」ためだ。
財務省によると、日本の貿易収支は2012年7月から赤字が続く。東京電力福島第1原子力発電所の事故に伴って全国の原発が長期停止を余儀なくされ、原油や液化天然ガス(LNG)など火力発電用の燃料輸入が急増した上、アベノミクスによる円安傾向が輸入価格の上昇につながった。一方、円安で改善が見込まれた輸出は国内の製造業が生産拠点の海外移転を加速させた影響で伸び悩みが続く。
ただ近年、貿易収支の主役として9月だけはアイフォーンが存在感を放つ。新型モデルへの切り替えでアイフォーンを生産する中国からの輸入が急増するためだ。中国からのスマホを含む通信機の輸入は「5」が発売された12年9月は前年同月比で2.5倍以上も増え、「5s」と「5c」が発売された13年9月も90.8%増となった。この通信機の輸入増が9月の貿易赤字を拡大させる要因となった。