10月開催だった50年前の前回五輪での爽やかな秋晴れの印象が強いためか、真夏の大会に向けた暑さ対策の準備はほとんど進んでいないのが実情だ。オリンピック招致の立候補ファイルでも触れていない。東京都環境局に問い合わせると「オリンピック準備局と真夏の大会を適切に運営するための検討を始めたところ。具体的な取り組みはこれからだ」(都市地球環境部環境都市づくり課)という。
しかし、20年に向けて都心では再開発が既に活発に動き出している。ヒートアイランド現象の原因は、都市化による緑地や水面などの減少と超高層ビルなどの高密度化、それに自動車や建築物からの人工排熱の増加だ。十分な対策を講じないままに都市再開発が進めば、一層の深刻化は避けられない。
ヒートアイランド現象をオリンピック期間だけ緩和できれば良いわけではない。高齢化の進展で、6~9月の夏季に熱中症で救急搬送される人は東京都でも毎年3000人を超え、猛暑だった13年は4500人を記録した。快適に生活できる都市環境を実現するためにも、大会に向けた短期的な対策だけでなく、長期的な対策にも取り組むことが不可欠だ。