【衆院選】問われる「第3の矢」 法人税もTPPも道半ば (2/2ページ)

2014.11.21 21:14

衆院が解散され、万歳する議員らと安倍晋三首相(中央左)=21日午後、国会・衆院本会議場(松本健吾撮影)

衆院が解散され、万歳する議員らと安倍晋三首相(中央左)=21日午後、国会・衆院本会議場(松本健吾撮影)【拡大】

 目玉の法人税減税は、現在35%程度の実効税率を来年度から5年で20%台に引き下げることを目指しているが、これを具体化する来年度税制改正の決着は衆院選後に持ち越された。

 岩盤規制打破の牽引役を担う国家戦略特区は、対象となる東京圏など全国6カ所で、国際ビジネス拠点の整備など事業計画を策定したばかり。今回の解散で、追加の規制緩和を盛り込んだ戦略特区法改正案は廃案となった。

 経済連携拡充の柱となる環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉も今月の参加12カ国による首脳・閣僚会合で、日本が合流した昨年に続き年内の大筋合意が断念された。

 エネルギー政策では、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)が7日に地元の同意を得て、ようやく年明けに再稼働が見通せるところまでこぎ着けた。ただ、企業の投資判断の前提となる電源別構成比「ベストミックス」は議論すら始まっていない。

 首相は「成長戦略をさらに力強く実施する」と訴えるが、選挙戦ではその実現性が問われることになる。(本田誠)

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