ただし、原油安はシェールオイルを生産する米国のエネルギー企業にとっては逆風だ。通常の原油よりも採掘にコストがかかるシェールオイルは「原油価格が1バレル=60ドルを下回ると採算が合わなくなる」とも指摘される。(ワシントン 小雲規生)
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OPEC総会では、世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアの出方が焦点となる。サウジは原油価格の上昇を抑える“価格戦争”を仕掛けることで市場シェアの確保を狙っているとも指摘されており、大幅な減産に同意する見込みは薄いとの観測もある。
「石油を政治の道具にはしない」。サウジのナイミ石油相は今月中旬、同国の石油政策は、あくまで原油価格の安定を目指したものだと強調した。
しかし、市場関係者らの間では、サウジが原油価格の落ち込みを放置しているのは「米国で生産が急増しているシェールオイルを押さえ込むのが目的だ」との見方が広まっている。シェールは生産コストが高く、原油価格が下がれば生産のスピードも落ちる可能性が出てくるからだ。
また、サウジはシリア内戦などをめぐり産油国のイランやロシアと対立関係にあることから、油価を抑えることで両国に財政的な打撃を与えようとしているとの観測もある。