衆院選が公示された2日の東京株式市場では、日経平均株価が2日連続で年初来高値を更新した。終値は前日比73円12銭高の1万7663円22銭となり、リーマン・ショック前の景気拡大期の平成19年7月以来、約7年4カ月ぶりの高値水準となった。
市場関係者の間では、安倍晋三首相が衆院解散を表明した時点から「自民党が現有議席数を下回るものの、単独での過半数を維持する」との予想をすでに織り込んでいるとの声が多い。2日も、選挙戦は材料視されず、日銀が追加緩和で上場投資信託(ETF)の購入を拡大したことや欧州中央銀行(ECB)の追加緩和観測を背景に、市場への資金流入が続くとの期待が相場を押し上げた。
これまで過去5回の衆院選の市場影響をみると、最も株価が動いたのは、政権交代した前回の衆院選だ。デフレ脱却、日銀による金融緩和期待の高まりを背景に、投票日から1カ月間で株価は10.9%上昇した。
ただ、平成24年の選挙や、小泉純一郎政権下での17年の「郵政解散」時に比べても、今回は「(与党の)過半数割れも考えられない」(大和証券の塩村賢史シニアストラテジスト)など市場が好む「変化」への期待が乏しく、選挙戦への関心は薄いのが実情だ。
投資家の視線は、選挙後や円安ドル高を背景とした企業業績のさらなる改善に移っている。「自民党が現議席数を大幅に上回る」「単独で過半数を下回る」といった“サプライズ”がない限り株価の上昇基調に大きな変化はないという。
1日に米格付け会社のムーディーズが日本の長期国債の格付けを引き下げた影響も限定的で、市場では「企業業績の改善期待で株価1万8000円への回復シナリオは高まった」(SMBC日興証券の圷(あくつ)正嗣株式ストラテジスト)との声が出ている。