その轍(てつ)を踏むまいと、首相が今回の税制改正でこだわったのが法人税の大幅減税だ。念頭にあったのは29年4月に実施される消費税率10%への引き上げ。それまでに、再増税の衝撃に耐えられるよう、経済の足腰を強くしておく必要がある。さらには、企業の業績を押し上げて賃上げを促し、給与増の実現によって消費を拡大させる-というアベノミクスの「好循環」を実現するため、首相は法人税減税に賭けた。
一方、かつては「政府税調は軽視しない。無視する」とまで豪語していた自民党税制調査会。今回の改正では、その威信にかけて、財政規律を維持する税制体系の整備を目指していた。法人税減税方針には、減税分を恒久的な財源で補うことを求めていた。
しかし、突然の衆院解散・総選挙が大きな誤算だった。議論の遅れもさることながら、首相サイドが野田毅・税調会長の選挙での党公認見送りまでチラつかせて、プレッシャーをかけてきたからだ。