地方での雇用は、企業の正社員ばかりではない。果物栽培が盛んな紫波町では、果樹園の後継者不足に悩まされている。「確かに果樹園経営だけでは大都市で稼ぐほどの収入は得られないが、固定給の仕事がほかにあれば十分に暮らしていける」と、大都市とは異なる働き方がある。
紫波町の日詰商店街で出会った70代の商店主は、最初に時計、次にメガネも扱い、今は得意のITを生かして電子チラシの事業化に取り組んでいる。「高齢化が進んだ地方では、奇数月と偶数月で売り上げが大きく違う。年金支給が2カ月に1回だから」と打ち明ける。店の後を継ぐ娘のためにもIT事業で経営の安定化を図りたい考えだ。
国が打ち出した政策が、こうした地方の人々の雇用や地元企業の経営にどこまで貢献できるのか。地方創生の真価が問われることになる。