しかし、町長の決断でPPP事業はスタート。オガールを含む公民連携の基本計画案は役場職員自ら勉強しながらまとめ上げた。町民の不満に配慮し、事業推進地区は、駅東側の日詰商店街地区まで広げた。ただ、図書館、役場新庁舎、駅東口開設のほかは具体的な内容は盛り込まなかった。
「最初から大風呂敷を広げず、現実的にできそうな範囲で事業を立ち上げ、住民の理解を得ていく。人の成長と町の成長のスピードが一緒であること、持続可能な計画であることが重要だった」と高橋氏。今年5月には6年の月日をかけた念願の役場新庁舎が完成する。
「今後は人づくりに力を入れていきたい。日詰商店街地区の空き家を活用するため、商工会の若手リーダーをリノベーションの勉強会に派遣し、まちづくりに取り組んでもらう」
地域の資源を活用し、新たな雇用を生み出しつつ、町の活性化につなげる。ハコモノを作るだけにとどまらず、そうした好循環をいかに作り出すことができるか。紫波町でなお続く試行錯誤は、日本全国の地方が抱える共通の課題でもある。(千葉利宏)