□田中秀明明大教授
■国債発行減少に一定の評価
国債発行額が前年度当初予算から4兆円以上減少し、6年ぶりに40兆円の大台を割り込んだことは一定の評価をしていい。ただ、景気の循環で税収が増えたことの寄与が大きく、その景気循環もアベノミクスによって生み出されたかは不明だ。
消費増税を除けば、どれだけ政府の努力で国債発行を減らせたのか予算案からは見えてこない。税収を上げて国債発行を減らし、歳出も社会保障費の増加を1兆円程度に抑えつつメリハリをつけてときれいな数字が並ぶが、もっと社会保障費の切り込みに努力してしかるべきではなかったか。
また介護報酬は少し削ったが、年金、医療、介護の抜本的な制度改革が必要。官邸が強い今こそ改革のチャンスだ。
2015年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を国内総生産(GDP)比で10年度から半減させる目標は達成できるようだが20年度の黒字化は遠い。政府は今夏まとめる新たな財政健全化計画で、長期見通しを常に作成しつつ目標との乖離(かいり)を検証して対策を講じる枠組みをつくるべきだ。