【ワシントン=小雲規生】オバマ米政権が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)実現に向け、中国主導の経済圏作りへの対抗意識を鮮明にしている。オバマ大統領の20日の一般教書演説に続き、21日には米通商代表部(USTR)のフロマン代表も中国を名指ししてTPPの優位を訴えた。オバマ政権は交渉合意のカギとなる、政府に強い交渉権限を与える大統領貿易促進権限(TPA)の付与を議会に要求。ただしTPAには民主党や共和党の一部からの反発も強く、先行きには不透明感も残る。
「中国がアジア太平洋地域での通商圏作りで先行しようとしている」。フロマン代表はワシントン市内での講演で中国の存在感拡大への危機感を訴えた。
オバマ政権にとって高い水準の貿易自由化や通商ルールを目指すTPPは、アジアの経済成長を米国企業のビジネス機会につなげる重要政策。フロマン氏は中国が推進するアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)などの枠組みは労働や環境に関する規制がなく、米国企業と途上国企業の競争条件を公平にできないなどとして「何を選択すべきかは明らかだ」と強調した。
オバマ氏は演説で「米国の労働者を守るため、私にTPAを与えるよう要請する」と、議会に協力を促した。政府にTPAがあれば他国との通商合意を議会に諮る際、議会は合意内容を修正できない。このため他国は合意内容を米議会で蒸し返されることを心配せずに済み、合意に応じやすくなるためだ。