--ドイツと日本ではFITの仕組みが異なるのでしょうか。
「それほど大きな違いはないと思います。ドイツは10年ごとに再エネ比率のメルクマールを設定しています。ただ、その通りには行いかなかった。言えることは、再エネを普及させる上で、FITでどの程度が導入されるか予測すること自体が不可能なことだということです。どういう制度でどんな価格にすればいいのか。それはやってみないと分からない。だから、需給の一致する範囲で価格が変動する市場メカニズムを活用するほうが無理はないはずです。結局、市場の枠外でFITによる再エネ推進を行ったために、人為的に価格をつけなければならず、この価格設定で失敗しているのです」
■再エネのコスト、将来の負債に
--スペインでは07年に買い取り価格を2倍に引き上げましたが、昨年6月の見直しで参入事業者が相次いで提訴するなどの問題が発生しています
「スペインはエネルギー戦略として、天然ガスによるガスコンバインド火力を推進してきました。しかし、04年の政権交代によって戦略が見直され、風力発電にシフトしたのです。風車メーカーも育ち、価格も発電量もうまくコントロールでき、順調に拡大したのですが、これは余剰となったガスコンバインド火力がバックアップ電源としてうまく機能したからなのです。2匹目のどじょうを狙って、太陽光をFITの対象としたが、買い取り価格を非常に高く設定したため、導入量の制御ができず、再エネ導入のコストを電気料金に転嫁できないまま、発生した赤字を国が面倒をみている結果となりました。スペイン政権と国民にとっては、再エネのコストが将来の負債として残ることになったわけです」
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