--ドイツの再エネの課題は系統に移っているのですね
「再エネは多ければいいというのは間違いです。再エネが多いと、時として安定供給を阻害することを忘れてはなりません。火力発電所などは、電力消費が少ないときは稼働を抑えて出力を調節できますが、お天気任せの再エネはそう簡単にはいきません。不要な電力をどこかに持っていかなければならない。これが再エネの大きなネックです。
ドイツ北部は風力発電が主体で、事業者は固定価格買い取りのため、どんな状況であっても発電した電気を売ったほうが収益になるため、事業者が自ら抑制することはしません。これはFITという制度の問題です。ですから、ドイツでもFITは何度も制度が見直されているのです。それが欧州各国のエネルギー関係者のコンセンサスでした」
≪ドイツの再エネ導入はCO2削減が出発点≫
--そもそもドイツが再エネの導入を進める目的は、脱原発にあったのでしょうか。
「それは違います。脱原発は後から出てきた話です。現に10年末に原発の運転を延長するための法案が成立していますが、翌11年の福島第一原発事故で再び揺り戻されたのが実態です。00年の再エネ法の主たる目的は地球温暖化対策で、FITは二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを削減するために導入された制度です。その後ドイツだけが脱原発にシフトしました。スペインでは原発は稼働していますし、イギリスでは新設もしています」