≪再エネ電力の市場化を進めるべき≫
■進まない送電線の敷設
--ドイツは環境先進国といわれ、日本も見習うべき点は多々あると思います。しかし、エネルギー問題についてみると、各国と陸続きにあるドイツと、四方を海に囲まれた日本では違いが大きすぎます
「それは重要な視点です。日本の再エネ比率はまだ数%であり、まだドイツのような問題は起こっていない。一部に、ドイツ並みの再エネ比率になるまでに問題は解決できると指摘する人がいますが、再エネ比率が高まったドイツでは、実際のところどうすべきか困っており、今後の方向性もまだ正式には決まっていません。解決手段として期待が大きいのは、国の南北をつなぐ送電線の敷設ですが、これも思ったようには進んでいない。進捗状況は全体の送電線敷設計画の2割にも満たない状況です。ドイツは、18年にノルウェーと送電線を結ぶことで合意しています。現在でもデンマーク、スウェーデンを経由してノルウェーまで送電線はつながっていますが、今回の合意では、ドイツ北部で発生する再エネによる余剰電力を直接ノルウェーに設置する蓄電池へ送ることが計画されているのです」