送電線の器具を交換する作業員。4月に発足する電力広域機関は送電網の増強などを推進する=三重県桑名市【拡大】
2012年7月の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の導入後、太陽光発電が急増しており、送電網の増強は避けて通れない状況だ。広域機関は、加盟者に供給計画と長期の需要予測などを提出させ、送電網の整備計画を決める。
ただ、全国規模の送電網の増強には数兆円ものコストがかかるとされる。広域機関は誰がどのように、こうした費用を分担するかなども決める。
大量の電気を売りたい発電会社と、コストを極力抑えたい小売会社は利害が対立する。広域機関が利害の調整役となるが、電力幹部は「そう簡単な仕事ではないだろう」と指摘する。
電力改革は、第2弾の電力小売り全面自由化は16年4月、電力会社の送配電部門を別会社化する第3弾の「発送電分離」は20年4月の予定だ。
広域機関が送電網をうまく管理、整備できなければ、大規模停電が起きたり、電力改革のスケジュールが先延ばしになったりする恐れもあり、責任は重大だ。