日銀は対話よりサプライズ重視? 政策維持も消えぬ市場の疑念 (1/4ページ)

2015.4.9 05:47

記者会見に臨む日銀の黒田東彦総裁=8日午後、東京都中央区

記者会見に臨む日銀の黒田東彦総裁=8日午後、東京都中央区【拡大】

 日銀の黒田東彦総裁は8日、金融政策決定会合後に記者会見し、現時点の追加緩和の必要性を否定した。この4月に日銀の大規模金融緩和は3年目に突入し、物価目標「2%」の壁は高いもののデフレ脱却の兆しは見えつつある。それでも市場関係者の間では日銀が今後の物価見通しを公表する4月末に追加緩和に踏み切るとの見方が根強い。背景には「日銀は『対話』よりも『サプライズ』を重視する」(証券系エコノミスト)という過去の経験がある。

 予想難しくなる

 2年間にわたる大規模金融緩和の継続で市場では円安・株高が急ピッチで進んだ。第一生命経済研究所は「この1年間の株高効果で個人消費は2兆3000億円押し上げられる」と試算する。黒田総裁は会見で「2014年度の企業収益は史上最高水準で、ベアも中堅・中小企業に波及している」と胸を張った。

 2月の消費者物価指数の伸びは「0%」と横ばいにとどまったが、黒田総裁は「原油安の影響が剥落すれば今秋以降、物価は上がっていく」と強調した。それにもかかわらず、追加緩和の観測が消えないのは「昨年10月末の追加緩和で黒田さんにだまされた」(債券エコノミスト)との不信感が市場関係者の間で渦巻いているからだ。このとき、黒田総裁は直前まで「(緩和は)順調」と言い切り、無風と信じ込ませてサプライズを演出した。

「黒田総裁の発言を額面通り受け取ると、金融政策の予想が難しくなる」

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