【上海=河崎真澄、台北=田中靖人】中国主導で設立準備が進む国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)について、中国当局者は創設メンバーに台湾を加えないと述べた。加盟申請の受付や承認を行うAIIBの設立準備事務局は中国財政省の傘下にあり、国際機関の体裁を取りながらも中国が自らの主張を盾に選定する実態が浮き彫りになった形だ。
中国国営新華社通信が13日、伝えた。中国は台湾を自国の領土の一部とみなしており、創設メンバーから除外することで、他の主権国家と差をつけて台湾の地位を格下げする狙いとみられる。中国国務院(政府)台湾事務弁公室の馬暁光報道官は13日、「ふさわしい名義で申請すれば参加を歓迎する」と表明。将来的には中国が認める名称で一般メンバーとして参加を認める意向も示した。
創設メンバー入りを目指して3月末に“駆け込み”申請した台湾にとっては大きな誤算となった。台湾の行政院(内閣に相当)は声明で「遺憾」の意を表明。今後は一般メンバーでの加盟を目指す方針を確認した。ただ、名称や参加資格の面で「公平で対等な原則」が満たされない場合は「参加しない」と反発。名称の最低ラインは「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」だとしている。
台湾にとり国際機関であるAIIBへの加盟は、経済的利益に加え、国際社会での地位向上につながるとの思惑があった。また、馬英九政権は対中関係を重視してきたことから、要求が受け入れられると読んでいた可能性がある。
台湾は国際機関への加盟をめぐり、これまでも名称や参加資格で中国と対立してきた。原加盟国だったアジア開発銀行(ADB)では1986年の中国の加盟後、「中華民国」から「中国台北」に変更され、抗議した。アジア太平洋経済協力会議(APEC)に91年に加盟した際の名称は「中華台北」で、参加資格も他の加盟国と対等な「経済体」だったが、このときは中台同時加盟だった。台湾は今回、APECと同様の方式の適用を求めていた。