【消費支出10%超減】足元では回復基調 駆け込み需要の反動響くも 賃金・雇用も改善 (2/2ページ)

2015.5.1 23:00

 1日発表された百貨店大手の4月売上高速報でも、大丸松坂屋百貨店を運営するJ・フロントリテイリングが前年同月比21.7%増となったほか、三越伊勢丹ホールディングスが15.0%増、高島屋が16.7%増といずれも大幅なプラスだ。高級ブランドが好調で、高島屋の担当者は「来店客数が伸びている」と胸をなで下ろす。

 背景には、就労環境の改善がある。有効求人倍率や完全失業率といった数値が堅調に推移するだけではなく、正社員数が4カ月連続で前年同月を上回るなど内容も安定感を増す。賃金も3月の現金給与総額が4カ月連続のプラスで、このうち基本給を含む所定内給与は3カ月連続で前年同月を上回った。

 今春闘では、大企業などで大幅な賃上げが相次ぎ、経団連の集計(4月16日時点)では、大手企業のベースアップと定期昇給を合わせた賃上げ率は2.59%と高い伸び率を示す。宮前氏は「賃上げが反映される4月以降、給与の伸びが物価上昇を上回れば、さらに消費意欲が高まってくる」と分析している。(佐久間修志)

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