財政審は、過度に税収増に依存せず歳出改革を中心に収支改善を図るべきとの建議(意見書)を麻生太郎財務相に提出した=1日、財務省(尾崎良樹撮影)【拡大】
財務相の諮問機関、財政制度等審議会(会長・吉川洋東大院教授)は1日午前、政府が6月に策定する財政健全化計画に向けた建議(意見書)を麻生太郎財務相に提出した。財政運営に対する市場の信認と国際的な評価を得ていくには、具体性と実効性を備えた計画が不可欠と指摘。経済成長に伴う税収増だけに期待せず、歳出改革を柱とした着実な収支改善を求めた。
政府は、平成32年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を黒字化する目標の達成に向け、6月下旬に財政健全化計画を策定する。財政審はPB黒字化を「現在の意思決定に参加することのできない将来世代に対して新たには負担を先送りしないという現世代の決意表明」と位置づけ、歳出増を過去3年間と同じ年間5千億円に抑制するなど毎年度の予算編成で適切な歳出規律を設けるよう求めた。
財政審は、これから高い経済成長率を実現できたとしても、税収増だけではPB黒字化は達成できないと指摘。さらなる歳入増を期待することは「楽観的に過ぎる」と強い表現で警鐘を鳴らし、歳出改革を軸に収支改善を図るべきとした。
財政悪化の要因である社会保障関係費については、団塊の世代が75歳以上になり始める32年度に向け、歳出の伸びは「真にやむを得ないと認められる範囲内に抑えていくべき」と指摘。後発医薬品の使用促進や診療報酬・介護報酬のマイナス改定、所得が高い高齢者の年金減額などを求めた。