ユーロ圏財務相会合終了後に記者会見するデイセルブルム議長(右から2人目)=18日、ルクセンブルク(AP)【拡大】
【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)は18日、ユーロ圏財務相会合をルクセンブルクで開き、ギリシャの金融支援問題をめぐり協議したが、進展なく終了した。EUのトゥスク大統領は財務相会合の結果を受け、臨時のユーロ圏首脳会議を22日に開くと発表した。支援の枠組みの期限切れを月末に控え、首脳間で政治決着を目指す。
財務相会合のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は会合終了後の記者会見で「残念だが、進展はなかった。合意は視野に入っていない」と述べた。同時に「まだ合意は可能だ」とも語り、合意に到達できれば、枠組みを残る72億ユーロの支援実行手続きに必要な期間延長する用意も示した。
支援をめぐっては、実行の条件としてEU側が求める財政再建策をギリシャがかたくなに拒否し、交渉は膠着。支援の枠組みが失効すれば、ギリシャの財政が破綻し、デフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念も強まっている。
デイセルブルム氏は「万一に備えている」と述べ、ユーロ圏がデフォルトなどの緊急事態への用意をしているとする一方、ギリシャには「最後の機会」として「数日中」に新たな改革案の提示を要請。必要に応じて首脳会議前に財務相会合を開く可能性に言及した。
一方、トゥスク大統領は首脳会議を招集した声明で「最高の政治レベルでギリシャの状況を緊急に協議するときだ」と強調した。