5日、アテネで記者団に向かって発言するギリシャのチプラス首相(沢田博之氏撮影・共同)【拡大】
【アテネ=内藤泰朗】財政危機にあるギリシャで5日、欧州連合(EU)などが求める財政再建策受け入れの賛否を問う国民投票が実施された。反対多数なら支援が遠のいて財政破綻が現実味を帯び、ギリシャのユーロ圏からの離脱やEU脱退に至る可能性もある。賛成多数ならチプラス首相への打撃となり、政局の混乱を招く恐れがある。
EUの財政再建策は、巨額債務を抱えるギリシャに対し、年金の削減や増税などさらなる緊縮財政を迫る厳しい内容だ。5年以上に及ぶ緊縮財政で、国民には緊縮疲れの色が濃い。
チプラス氏は「民意が得られれば、EU側との協議で有利になる」として反対票を投じるよう訴えてきた。しかし、反対票が多数となりチプラス氏が強硬姿勢に出ればむしろ、溝が深まる可能性は高い。ユーロ離脱が現実になれば、1999年のユーロ導入以来、初の事態となる。そうなればユーロの信認も揺らぐ。
反対に、賛成が多数となれば、チプラス政権に対する不信任を意味する。この場合にチプラス氏は退陣することを示唆しており、新しい政権のもとでEU側との再協議になる可能性がある。ただ厳しい緊縮に加えて政治が混乱する恐れもあり、ギリシャ国民にとっては投票結果がどちらになっても道のりは厳しい。
直前の世論調査でも賛否は拮抗(きっこう)している。即日開票による結果の大勢判明は5日深夜(日本時間6日朝)の見込み。有権者数は18歳以上の約985万人。