MERSについて国民向けメッセージを発表する韓国の黄教安首相=28日、ソウル(聯合=共同)【拡大】
【ソウル=名村隆寛】韓国政府は28日、黄教安(ファン・ギョアン)首相主宰の中東呼吸器症候群=MERS(マーズ)=コロナウイルスへの対策会議を開き、MERS感染者が新たに出る可能性がほぼなくなったとして、事実上の終息を宣言した。聯合ニュースなどが伝えた。
黄首相は会議で、感染した可能性がある隔離対象者が前日にゼロとなったことから、「状況を総合すれば、MERS感染については安心してもいいと判断している」と発言。国民に通常の生活に戻るよう促した。
韓国政府では8月末に正式な終息宣言する見通しだった。しかし、2カ月余りにわたる感染騒動は、内需冷え込みや外国人観光客の激減をもたらすなど、韓国経済に深刻な影響を及ぼしてきた。事実上の終息宣言の前倒しで、景気を回復する狙いとみられている。
最初の感染者が確認されてから、これまでに計186人が感染し、うち36人が死亡した。27日の時点で12人が入院中で、うち1人からなお陽性反応が出ている。新たに感染者と死者は出ていない。