2日連続の人民元切り下げに踏み切った中国人民銀行。手前は人民元紙幣=12日、北京(共同)【拡大】
【北京=矢板明夫】中国の金融当局が、2日続きで人民元安を誘導する大胆な行動に出た背景には、河北省の保養地で共産党首脳部や長老らを集めて開催中の北戴河会議での中国経済の減速をめぐる激しい議論があったもようだ。汚職幹部の相次ぐ摘発で長老らと対立を深める習近平指導部は、経済運営の責任を追及する長老らの圧力をかわす必要に迫られた形だ。
中国経済の成長エンジンだった輸出が不振に陥るなか、人民元の対ドル相場が高い水準を維持してきたことについて、共産党関係者は「中国の夢」という習近平氏の政治スローガンがかかわると指摘する。つまり、習政権の2期目最終年次となる2022年までに国内総生産(GDP)で米国を抜いて中国を世界の頂点に押し上げ、元の国際化を果たすためには「強い元」が必要との判断だ。
しかし、北戴河会議で配布された今年上半期の経済実績は、想像以上に厳しい数字だったという。
人民元高で国内産業への打撃がさらに鮮明となり、沿海部の工業地帯では工場の倒産や、外国企業の東南アジア移転が鮮明となった。失業者による争議も多発している。