【ワシントン=小雲規生】米国の2015年の牛肉輸出が3年ぶりに前年割する見通しだ。西海岸で起こった港湾労働争議に加え、ドル高の影響をまともに受けている。最大の輸出市場である日本では日豪経済連携協定(EPA)発効の余波も受けており、米国内の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)合意への期待を高める背景にもなっている。
米国食肉輸出連合会によると、15年1~6月の牛肉の輸出量は、前年同期比10%減の約53万トンだった。牛肉輸出は13年(3・4%増)、14年(2・0%増)と2年連続で増加してきたが、フィリップ・セン会長は「昨年の実績を維持することは難しい」として、15年は前年割れとなる可能性を示唆している。
輸出不振の要因はまず、2月まで続いた西海岸の港湾での大規模な労働争議で輸出が滞ったことだ。また、5月以降は米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げするとの観測が強まって各国通貨に対するドル高が一段と進行し、現地通貨建てでの米国産牛肉の価格が値上がりしたことも輸出にブレーキをかけた。