【概算要求】財政再建、試練の道 社会保障費圧縮どこまで

2015.8.31 21:31

 平成28年度予算の概算要求は、景気動向に応じた予算を編成する狙いから26、27年度と同様に歳出上限を設けず、要求総額が3年連続で膨らんだ。財務省は年末の予算編成で約5兆円を削るシナリオを描くが、与党からの歳出圧力は強い。新たな財政健全化計画の初年度に当たる28年度予算で、巨額の財政赤字解消に向けた意志を示せるか。

 7月に決定した概算要求基準(シーリング)は、歳出の大枠を示さず、要求増が予想された。公共事業などに充てる経費の要求を1割減らす一方、成長戦略に沿う政策には3.9兆円の特別な要求枠を認めるのは前年度とほぼ同じで、財務省幹部は「総額も100兆円を初めて超えた前年度並みとなった」と解説する。

 政府は、歳出の3分の1を占める社会保障関係費の増加を毎年5千億円程度に抑制する目安を設定している。だが、今回の要求では高齢化の進展に伴う「自然増」を6700億円まで容認した。借金増加に伴い利払いや償還が増える国債費も過去最大を更新しており、予算圧縮に向けた視界は不良のままだ。

 32年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化を目指す政府の財政健全化計画は、経済成長に伴う歳入増を重視している。だが、一般会計の税収は54兆円程度にとどまり、景気回復による税収増を織り込んだ内閣府の試算でも、32年度のPB赤字は6.2兆円に上る。

 国の借金が1千兆円を超える中、収支を改善するには社会保障関係費を中心とした歳出抑制が欠かせない。年末の予算編成過程で診療報酬改定など予算圧縮に向けた歩みを踏み出すことができるか。経済成長と財政再建の両立に向けた道のりは険しい。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。