平成28年度予算の概算要求基準に関する政府与党政策懇談会であいさつする安倍晋三首相(右端)=23日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)【拡大】
政府が23日に示した平成28年度予算の概算要求基準案は、安倍晋三首相が重視する民間需要の喚起やイノベーションを誘発する効果が見込める施策に優先配分する一方、省庁側の歳出削減意欲を高めるメリハリのついた予算編成を目指すものといえる。高い経済成長に伴う歳入増を追求する成長志向を色濃くした形だ。ただ、景気の腰折れを懸念して予算総額は決めず、歳出抑制への道筋を描き切れない課題も残った。(尾崎良樹)
「義務的経費を含めて全種目横断で構造改革努力をする。それを各省に浸透していく仕組みをつくった」
甘利明経済再生担当相は23日の記者会見で、人件費などの義務的経費(27年度予算は12.5兆円)を減額すれば、その分を特別枠として上積みできる仕組みの導入に胸を張った。
安倍政権は昨年も、公共事業などの裁量的経費(同14.7兆円)を一律10%削減し、削減後の金額の30%程度にあたる3.9兆円を特別枠として認めた。国と地方の債務残高が1千兆円を超える中、今回は「人件費を含めた義務的経費も対象に加え、聖域なく歳出を見直す努力を省庁に促す」(財務省幹部)ことにした。
しかし、歳出の上限を設けなかった。「成長戦略」名目で不要不急の予算要求が積み上がる懸念は拭えない。2年連続で概算要求総額が100兆円を突破するのは必至だ。