さらに8月に入って一気に過熱したのが、インドネシアの首都ジャカルタと東に140キロ離れたバンドンを結ぶ高速鉄道計画だ。日本が先行していたが、今年に入って中国が激しい追い上げをみせた。
最後はジョコ大統領の決裁に持ち込まれた。そこで同大統領の出した結論は「日中どちらの案も採用せず」だった。インドネシアは日中双方とも政治・経済のつながりが深いだけに、どちらかに決めればしこりが残ってしまうからだろう。
インドでも日中が激突している。大都市を結ぶ合計9路線の建設が計画されているが、このうち人口密度や所得水準の高いアーメダバード-ムンバイ間は新幹線が一歩リードしている。一方、中国はデリー-チェンナイ間の高速鉄道建設への参加などを検討しているといわれる。
このほかクアラルンプールとシンガポールを結ぶ路線でも、これから激戦が予想される。とりわけ中国にとっては「一帯一路」の要ともなる路線なので、是が非でも受注したいと攻勢をかけてくるだろう。(拓殖大学名誉教授・藤村幸義)