このほか、訪日外国人客による観光需要の増加は、住宅地の地価上昇にも波及している。北海道倶知安町の住宅地は3・6%上昇した。隣接するニセコ町には海外からのスキー客が多く訪れるため、別荘地としての需要が拡大した。
こうした地価上昇は、緩和マネーの流入や訪日外国人客の急増による要因が大きいため、「ミニバブルではないか」との見方も根強い。7月に中国・上海株式市場で株価が急落し、続いて中国政府が人民元の大幅な利下げに踏み切った。こうした中国経済の変調も国内の地価動向を読みにくくしている。
中国経済が訪日需要に与える影響について、田村明比古観光庁長官は16日の記者会見で「現在のところ、マイナスの影響は出ていない」と述べた。足元では絶好調の訪日客だが、“中国リスク”への懸念はぬぐえず、当面は中国経済の動向も地価を左右する大きな要因となりそうだ。