8月下旬、中国東北部の吉林省長春を訪ねた。かつては旧満洲国の首都として新京と呼ばれた土地だ。関東軍司令部や満洲中央銀行など、満州国時代の建物がいまも健在で、主として政府機関のビルとして使われている。
タクシーを呼び止めてみたら、先客が乗っているのでまごついた。私に行き先を聞いた運転手はそこまでの料金を告げ、話がまとまった。どうも、行き先が違う複数の客を相乗りさせるのが習慣化しているらしい。見ていると、他の利用者も客が乗っているタクシーを呼び止めて交渉している。
中国の他の街では、あまり見たことがないシステムだ。地元の名門校である吉林大学の経済学者に聞いてみた。初乗りが5元(約95円)のタクシー料金は1998年から上がっておらず、運転手が収入確保のため客を相乗りさせるようになったようだ。