安倍晋三首相(酒巻俊介撮影)【拡大】
首相は第2次政権でデフレや円高の是正に向け2%のインフレ目標を設定し、大胆な金融緩和を促した。
民主党政権時代に8千円台まで落ち込んでいた日経平均株価は今年4月、15年ぶりに一時2万円台を回復した。昨年11月には景気回復の減退を避けるため、消費税率の10%への再引き上げの先送りも決断した。
首相側近は「金融緩和のために『日銀法改正に踏み切る』とまで言い、消費税再増税を見送る大胆な判断は、安倍首相でなければできなかった」と振り返る。
首相が平成25年12月に靖国神社に参拝した際は、中国や韓国、一部のメディアに批判された。同月の特定秘密保護法の成立もあり支持率を下げたが、その後は上昇に転じた。政権運営に自信を深めた首相は後日、知人にこう語った。
「小泉さんはあれだけ高支持率の時に辞めることはなかった。国民の支持があるうちにしかできないことがある」
安保関連法の制定や憲法改正をにらんだ言葉だったのは間違いないだろう。
首相は今月11日のインターネット番組で「政治なのでタイミングというものがある。(安保関連法の)成立後は期待されている経済で成果を挙げたい。憲法改正は粘り強く取り組んでいく」と意気込みを語った。
首相の宿願だった安保関連法は成立した。今後、景気回復の実感を地方にも届けることができるかが、憲法改正など「国民の支持があるうちにしかできないこと」の成否を握る。(田中一世)