TPP交渉で激しくぶつかり合った甘利TPP担当相(右)とフロマン米通商代表=1日、米アトランタ(共同)【拡大】
「一体、こうなっているのは誰のせいなんだ!」
約3カ月前の7月31日。前回の閣僚会合が開かれた米ハワイのホテルの会議場に、甘利の怒声と「ダーーン!」というテーブルをたたく音が響きわたった。会場は一瞬にして静まり返る。前回会合で大筋合意が見送られた瞬間だった。
甘利はこの日、フロマンから何度も発言を求められたが、沈黙を続けていた。
フロマンは国内調整の遅れを理由にして譲歩案を示さず、なかなか交渉をまとめようとしない。難航する責任を日本に押しつけられかねなかったからだ。
会合の終盤、甘利は臨席の首席交渉官、鶴岡公二の制止も聞かず、沈黙を破って奇襲を仕掛けた。
「皆さん、今から重要なことをお話しします。聞いてください」
そう切り出すと、自動車分野などに関する日米協議の経緯を暴露した。