TPP交渉で激しくぶつかり合った甘利TPP担当相(右)とフロマン米通商代表=1日、米アトランタ(共同)【拡大】
2国間協議の中身をさらけ出すのは異例のことだが、事前交渉の結果を閣僚会合の場で袖にするような米側の不誠実さを明らかにするためだった。そして声を荒らげ、テーブルをたたいた。
これまでも甘利とフロマンは水面下で情報戦、神経戦を繰り広げてきた。最大のヤマ場は昨年4月の米大統領、オバマの来日のときだった。
甘利は昨年4月23日、オバマと首相、安倍晋三の首脳会談を前にしてフロマンと都内で閣僚協議を行ったが、接点は見いだせなかった。
同日深夜、甘利の携帯電話が鳴った。安倍からだった。
安倍「いま大統領と話したけど、豚肉関税の“落としどころ”はこんな感じじゃないの?」
甘利「その通りです」
安倍「じゃあ、その線でもう少しやってみて」
安倍は電話の直前まで来日したばかりのオバマと東京・銀座の老舗すし店で夕食をともにしていた。オバマはすしを味わうのもほどほどに、TPP日米協議の中身に踏み込んできた。