「スポーツの試合で言えば『21-0』の大差」と韓国紙、朝鮮日報(電子版)が報じた。ノーベル賞の自然科学分野の日本人受賞者は、医学・生理学賞の大村智・北里大特別栄誉教授と物理学賞の梶田隆章・東京大宇宙線研究所教授が加わり21人になる。一方、国内総生産(GDP)に占める研究・開発(R&D)投資の割合が世界1位の韓国はゼロ。例年「なぜ日本ばかりなのか」の類の記事がメディアを賑わすのだが、今年は冷静な分析や日本への称賛も目立つ。中国の研究者が先に受賞することへの焦りも背景にあるのか。
日本人は「常軌を逸した科学者」と称賛?
韓国メディアは毎年10月になると、自然科学分野のノーベル賞受賞者ゼロをめぐる原因分析、政府などに対する責任追及、叱責に余念がない。もちろん、日本への羨望もある。今年もそうした報道があるにはあるが、例年に比べるとメディアの受け止め方が冷静にみえる。
たとえば朝鮮日報(電子版)は、日本人のノーベル賞ラッシュを「日本特有の職人気質(かたぎ)も一役買っている」と分析。そして地方大学や地方企業で、日本の「マッド・サイエンティスト(常軌を逸した科学者)」たちが、誰もしない「常軌を逸した研究」を続けた末にノーベル賞を取ったのだと指摘する。