同紙はまた、自然科学分野でのノーベル賞獲得と企業の関係性を示す韓国科学技術企画評価院(KISTEP)の興味深い調査を紹介。それによれば全体のノーベル賞受賞者の中で企業出身だったか企業所属の科学者が4・4%の26人にのぼり、企業出身の受賞者は1970年代以降、着実に増えているのだという。そのうえで、KISTEPの研究委員は「企業は消費者や事業組織、研究者ネットワークが有機的に結びついている」とし、「国内企業も長期的な見識を持って研究・開発の風土を作らなければならない」とコメントしている。
ただ、60年代に始まったとされる韓国の基礎科学は当初、自動車や機械などいち早く成果を挙げられる産業分野での研究に力を注いだという。韓国経済を支えてきたサムスン、現代、LGなどの飛躍はそんな背景もある。企業、国民、そして政府の意識改革はそれほど単純なものではなさそうだ。
中国の初受賞には言い訳できない
韓国にとって、日本人の受賞ラッシュはもはや慣れっこになっている。それ以上に、中国人研究者が今回先んじて医学・生理学賞を受賞することへのショックの方が大きかったのかもしれない。