講演する日銀の黒田総裁=6日午後、東京都港区【拡大】
企業は円安・株高による業績改善効果を「一時的な追い風」とみて投資や賃上げに慎重になっている。黒田総裁は「ポストデフレ時代の新たな経営戦略をしっかり立ててもらうことが必要。前向きの行動が将来の収益を生み出す」と意識改革を促した。
「中国経済のハードランディングの可能性は低い」
黒田総裁は最大のリスクは中国を含む新興国経済の失速と指摘したが、「中国では当面、7~8%の名目国内総生産(GDP)成長率が続くとみられ、安定成長を確保しながら構造改革できる」とも述べた。
「2%の物価目標は必ず達成できる」
市場では追加緩和を求める声が根強く残るが、黒田総裁は「現時点では現行の施策の継続で達成できる」と牽制した。東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「日銀は米国の利上げなどをみようとしている」と分析した。