全国農業協同組合中央会(JA全中)は6日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の対策などを議論する自民党の農林関係会合で、農家の経営安定や体質強化につながる支援を要望した。この日は畜産や漁業など約10団体から要望や意見を聴取。自民党や政府はこうした生産者などの意見も踏まえ、17日に農業関連対策を取りまとめる。政府は25日頃に政策大綱を決定する方針だ。
JA全中の奥野長衛会長は会合で、「全国からは将来に対する不安などの声が大きかったが、この段階でそんなことを言っている場合ではない」と強調。その上で「息の長い政策を皆さんとともに作り上げていきたい」と述べ、自民党と協調していく方針を示した。
JA全中のTPP対策の要望では、コメについて担い手に対するセーフティーネットの早期検討や創設、飼料用米の交付金の長期的保証などを提案。畜産では、現行の所得補填の仕組みの恒久化や、国の補填や拠出金の割合引き上げなどを求めた。また、農地集積や施設整備への支援など農家の収益力強化策や、各国の規制緩和などを働きかける対策も要請した。
会合後、自民党の小泉進次郎農林部会長は「(要望書を読み上げるだけの)今までの団体の発言とは一変した。農業団体も変わりつつあると感じた」と評価。一方、西川公也農林水産戦略調査会長は「団体なりの討論、議論、そして結論を持ってきてほしい」と注文をつけた。