【日曜経済講座】編集委員・田村秀男
与党内では、平成29年4月の消費税率10%引き上げに向けて、軽減税率導入論議がたけなわだが、肝心な点を忘れていないか。生活必需品の一部税率を据え置こうと、増税が引き起こす国民経済への災厄は甚大なことだ。
9年度の消費税増税は慢性デフレを引き起こし、26年度増税はアベノミクス効果を台無しにした。消費税率再引き上げという矢は安倍晋三首相が掲げる国内総生産(GDP)600兆円の的をぶち壊しかねない。
国内では財務省主導で緊縮財政路線がまかり通る。疑義をはさんだのは、米国の財務省である。先月発表の外国為替に関する議会報告書で、消費税増税による日本の景気減速を取り上げ、財政緊縮にこだわるとデフレに舞い戻るのではないかと警告した。米国の国益思考の表れだろうが、日本の指導層はデフレと緊縮財政をグローバル経済の中での日本の国益と重ね合わせてみればよい。