【ワシントン=小雲規生】国際通貨基金(IMF)が準備資産「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に人民元を採用する見通しになり、国際金融分野での中国の存在感が高まることになりそうだ。ただ、従来のような不透明で自国の利益を優先した為替政策は取りにくくなり、経済が減速している中国からの資本流出が加速する恐れもある。中国は金融制度改革と経済の安定化を両立させて、市場の信頼をつなぎとめる必要がありそうだ。
構成通貨の5年に1度の見直しの年にあたる今年、中国政府は人民元の採用を強く求めてきた。しかし中国の国際通貨のステータスへの野望とは裏腹に、人民元への信頼は中国経済の減速に伴って落ち込み始めている。
米財務省の推計によると、今年1~8月の間に中国からは5千億ドル(約61兆円)の資本が流出。8月の人民元の事実上の切り下げが「人民元はさらに値下がりする」との観測を呼んで流出が加速している。