人民元は現在は相場の変動が制限されているが、構成通貨になれば「自由に取引できる通貨」として規制は緩和される方向となる。元IMF高官でアメリカン・エンタープライズ研究所のデズモンド・ラックマン氏は「規制が緩まれば、さらに資本流出が加速する懸念がある。外貨準備が尽きてくれば、人民元危機につながりかねない」と警鐘を鳴らす。
ただし中国経済に対しては輸出主導の高成長経済から、内需型の安定的な経済への転換を図らなければ、中所得国の枠から抜け出せなくなるとの分析も多い。そのためには人民元取引を含めた金融制度を改革して海外からの投資を呼び込むなどの対応が不可欠だとの声もある。
中国経済が専門の戦略国際問題研究所のスコット・ケネディ氏は人民元を構成通貨とすることは、中国に金融改革を促す効果があると指摘。「金融改革には資本流出などのリスクもあるが、経済構造の転換させるにはリスクをとるしかない。中国は段階的に改革を進めるつもりで、市場に賢明に対応できることを示せば中国への信頼は回復する」と話している。