【モスクワ=黒川信雄】露軍機撃墜への報復として、ロシアがトルコに対して実施する制裁の項目が出そろいつつある。企業活動の制限や禁輸措置など包括的な内容となっているが、経済への影響を懸念する慎重な姿勢もうかがえる。
ロシアは11月28日、トルコ人への査証(ビザ)免除措置停止や新規雇用の原則禁止を決定。今月1日には、来年1月から輸入を禁止するトマトや鶏肉などの制裁対象品目も発表した。トルコへのチャーター便運航も1日から禁止された。
ただ1日の発表では、禁輸で価格が高騰した場合は「必要な手段を講じる」とするなど、年率15%超で推移するインフレへの懸念が見受けられた。昨年、欧米の制裁に対抗して導入した禁輸措置は即時実施だったが、今回は1月開始と準備期間を設けたことも、景気への配慮とみられている。
また露政府は1日、経済分野の政府間委員会の活動停止も発表。イタル・タス通信は関係筋の話として、これによりトルコ経由で欧州にガスを輸出するパイプライン建設交渉が停止されると報じたが、ウリュカエフ経済発展相が「凍結したわけではない」と述べるなど、混乱が広がっている。