政府方針、補正予算案3.4兆円程度に 低年金者支援に3000億円計上

2015.12.5 05:00

 政府は4日、2015年度補正予算案の総額を3.3兆~3.4兆円程度とする方針を固めた。企業収益の伸びを背景に、15年度の税収が当初予算の見積もりを約1.9兆円程度上回る見通しとなったことから、国の新たな借金となる「新規国債発行額」を当初予算から最大0.5兆円減らす方針だ。補正予算案は18日ごろに閣議決定し、来年1月4日召集の通常国会に提出、早期の成立を目指す。

 補正予算の財源には、14年度予算の使い残し(約2.3兆円)と税収上ぶれ分を充てる。15年度の一般会計税収は当初見積もりから1.9兆円程度増の56.4兆円程度に達する見込みとなったため、国債の追加発行は行わない。政府は当初、補正予算の歳出総額を3.5兆円程度とする案を検討したが、厳しい財政事情に配慮することにした。

 目玉は低所得の年金受給者向けの給付金だ。約1000万人に1人当たり約3万円を配り、合計3000億円程度を計上する。TPPの農業対策には土地改良事業などで3000億円台半ばを投入する方向で検討する。「1億総活躍社会」の実現に向け「3世代同居」を促すための住宅補助も盛り込む。ただ、16年度は国の新たな財政健全化計画の初年度に当たるため、補正では、新規国債発行額の減額分にも充当する。15年度当初予算では新規国債発行額を36.8兆円としていたが、最大0.5兆円削る。年度途中で国債発行額を減らすのは2年連続で、経済再生と財政再建の両立を目指す。

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