BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト【拡大】
景気回復で大盤振る舞いという印象だ。税収は25年ぶりの高水準が見込まれるが、一方で28年度予算案の一般会計歳出は、25年前と比べると約30兆円も増加するなど膨張が続いており、結局使ってしまっている。これでは、いつまでたっても財政健全化はできない。
新規国債発行が減り、社会保障費の伸びが抑制されているのは、景気循環における回復局面だからこそとみている。それを除けば、経済は低成長に入りつつあることを認識し、身の丈に合った歳出構造に変えていく必要がある。
だが、安倍晋三政権が掲げる「1億総活躍社会」を大義名分に、歳出にメリハリがついていない。限られた財源を低所得世帯向けの幼児教育無償化など子育て支援の充実に振り向けるのであれば、高齢者に手厚い社会保障費にはもっと切り込むべきだった。
診療報酬改定でも医師らの人件費にあたる「本体部分」は引き上げとなり、参院選を控えて、財政規律が緩んだ印象はぬぐえない。税収増や、景気回復による一部の政策経費の縮小で見えにくくなってはいるが、構造的な財政赤字はむしろ膨らんでいる可能性がある。(談)