消費税率の10%への引き上げ時に適用される軽減税率制度で酒類と外食を除く飲食料品の税率が8%に据え置かれると、1世帯当たりの税負担軽減額は年収によって、最大9000円超差が出る見通しだ。民主党の要請で財務省が試算した。一方、財務省によると、軽減対象となる「食品全般」と対象外の「外食」の線引きについて、境目が曖昧な事例が1200~1300件あるという。
負担軽減額は2013年の家計調査での2人以上世帯の消費支出から算出した。年収200万円未満の世帯では、年間の消費税負担額が10万7089円となるが、税率が一律に10%となった場合と比べると8372円負担が軽くなる。
これに対し、年収1500万円以上の世帯の軽減額は1万7762円と低所得世帯を大幅に上回る。高所得世帯ほど高価な食材を多く購入するためだ。軽減税率は所得が少ない人ほど税負担が重くなる消費税の「逆進性」を和らげるのが狙いだが、軽減額の比較では高所得者に比べて低所得者の緩和効果が小さい。